第42章

「……もう、いらない」

大島莉理は踵を返して歩き出した。

田中隼人がしつこく追いすがる。

「俺の顔見た途端、お義姉さん、車までいらないって? そんなに俺のこと嫌い? でもさ、俺はお義姉さんのこと、綺麗だと思うし、声も好み。ドンピシャなんだよね」

莉理の足が止まる。

「……気持ち悪い」

相手が誰であれそんなことを言われれば田中隼人はキレる。だが相手が彼女だと、なぜか腹が立たない。

「俺、事実言っただけ。お義姉さんってば強引だなあ。事実すら言わせてくれないの?」

「……病院行ったら? 頭」

十中八九、どこかおかしい。莉理は店を出ようと足を速めた。と、田中隼人が先回りして彼女の前...

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